ホーム > CRの基本と練習法

CRの基本と練習法

センタード ライディングの基本と要素

センタード ライディングの実践のすべては、「4つの基本」と「グラウンディング」から始まります。この「4つの基本」と「グラウンディング」のどれか1つが欠けても、問題が起きる可能性があります。「4つの基本」は自覚という装備をあなたに与えてくれ、それによって自分のセンターをより簡単に見つけられるようになります。「4つの基本」はセンターを自由に動かせるように共に働き、またセンターはその他の基本を調和させて、自然に流れるように体を働かせてくれます。更に、あなたが何を欲しているのかを、明確かつ積極的に理解し心に思い描く事(明確な意図)で、望む動きが効果的に行われるようになるのです。

あなたが4つの基本と2つの要素を学び、馬の動きと反応からその経験を深めていくほどに、あなたとあなたの馬は互いに波長が合い、互いに調和のとれた動きが出来る様になります。これらのテクニックは、馬とライダー両方の自信と楽しさを向上させ、緊張を解放することが出来、トレーニングを易しいものにしてくれます。また、ライダーの古傷の痛みや、騎乗中やその後に痛みを引き起こす慢性的症状に対し、上手く対処していく助けとなります。

サリースウィフトにより表されているセンタード ライディングの4つの基本は、次のとおりです。

ソフトアイ

視覚的および、物理的な認知度を上げ、より良い周辺視野、“感じること”の改善をもたらします。

呼吸

横隔膜を使って正しく呼吸することにより、より良い姿勢、リラックス、エネルギーを得られます。

バランスやブロック積み

ライダーの身体の各部分をバランスよく積み重ねるように正しく保てば、馬の動きに調和したバランスを得られます。

センタリング、ブロック積みがなされ、グラウンディングでそれらを安定させる
センタリング、ブロック積みがなされ、グラウンディングでそれらを安定させる。

センタリング

体内の深部に位置するバランス、動き、コントロールの中心(センタリング)を使用して、東洋の武道のように静かな強さ、調和と力を得ることが出来ます。

骨盤の底に沈むセンターのボールをイメージする。
骨盤の底に沈むセンターのボールをイメージする。

これらの土台(4つの基本)を、“明確な意図”(コントロール、方向指示、扶助の使用をより効果的にします。)と“グラウンディング”(安定とバランス)と共に使用すれば、動きの自由度、自信、馬とライダー間の調和を促進し、多くの問題を解決する助けとなります。

センタード ライディングの練習法

センタード ライディングの練習法は、騎乗でのレッスンの他にも、馬に乗らずに地上で行う練習法(エクササイズ)があります。どちらも、解剖学と機能について、または人間の体がどのように動き、それが馬の動きとバランスにどう影響し作用しているかを教えてくれます。全てのエクササイズは、乗馬・馬術の種目やスタイルを問わず適用でき、かつ騎乗と調教上での問題解決に適用できる実際に役に立つ内容です。 

軽速歩時の足首の使い方、かかとの方向性を学ぶエクササイズ
軽速歩時の足首の使い方、かかとの方向性を学ぶエクササイズ

地上で行う練習法(エクササイズ)= グラウンドワーク

地上で行うレッスンは、ユニークなイメージを使いながら、時にはトランポリンやバランスボール等の道具も使って行う楽しいエクササイズで、センタード ライディングの基本や感覚、自身の体への気付きを学ぶことが出来ます。馬に乗らずとも騎乗時の感覚や体の使い方を学べ、騎乗時の練習をより効果的なものにする、とても価値のある練習法です。

その、価値の1つ目は、ライダーは自分自身だけに集中出来る事です。自分の下にいる馬に気を散らされることなく、リラックスした状態で練習に取り組めます。2つ目の価値は、学んでいる過程でライダーが失敗を繰り返すことは避けられないことですが、それを馬が我慢する必要がないということです。

 また、アレクサンダーテクニーク、太極拳、そしてその他のボディーワークの手法からも、その姿勢と動きに注目することによって、より広範なバランスと一体化に向けて心と体を教育することができます。

グラウンドワークを学ぶことで、いつでもどこでも乗馬の練習を行う事が可能になります。もちろんご自宅でも半畳ほどのスペースがあれば練習出来るので、週末のレッスをより快適で楽しい効果的なものにすることが出来ます。

動いている中で常に一定のコンタクトを取り、手綱を安定させるエクササイズ
動いている中で常に一定のコンタクトを取り、手綱を安定させるエクササイズ

学習の仕組み

体の動かし方を学ぶ時には、どのように脳と体が新しい情報と動きを統合させるのかを理解することは、ライダーとして進歩するためだけではなく、馬のトレーナーとして成功するためにも、とても大切です。 

脳の両サイドは、情報を処理して使う時には一緒に働きます。右脳を使うために、左脳は情報を与えなければなりません。学ぶ過程において一度その動きを覚えて、右脳にその動きが保存されれば、そのイメージを引き金として自分の体を調整して、その動きを行うことが出来るのです。

新しい動きやエクササイズは、短く区切って教えます。動きの最も基本的な部分を学び、それを練習する機会を体に与えるのです。小分けにして学んでいくことによって、課題を明確に理解する時間をもつ事が出来ます。そして自分の体に協調性をもたせ、新しい動きに必要な筋肉を発達させることも出来ます。このことは、馬のトレーニングにおいても同様です。

一歩一歩進みましょう。そして単純さを保ちましょう。
単純なものは大きな力を持っています。
あなたと馬が進歩するにつれ、初めは望みがないぐらい難しく思えたことが、できるようになるだけではなく、単純に思えるようになるのです。
~サリー スウィフト~